2010年 11月 16日
電車で読書 |
池袋から高崎まで湘南新宿ラインに乗ったのですが、車中暇なので読書。
そしたら、隣の男子学生が私の文庫本を横目でガン見(笑)
その男子は微積の受験テキストを持ってたので高校3年生位なのかな。
読んでいる所申し訳なかったけど、大宮で休憩しようと思って途中下車しちゃいました。
いい所だったのに、ごめんごめん。
『君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ』
何度読み返しても、その清冽なうつくしさは変わることがなくて、胸がきりきり痛んだ。自分で傷口をえぐってどうする、と濡れた頭を打ち振って添えられた解説文に目を転じると、思いがけないことが書いてあった。
この歌が発表されたとき、白秋は投獄されていたのだという。罪名は、姦通罪。家庭ある女性と恋に落ち、その夫から訴えられたのだ。
ただただ幸福に、一夜をともにした恋人への、甘い思いを歌ったのではなかった。
あの人が、雪を踏んで帰ってゆく。帰らなければならない。ずっと一緒にいることはゆるされない。ならばせめて、この雪が、林檎の香りのように、清らかに舞い落ちてくれますように。あの人の上に。
(この辺で下車)
読んでいたのは、とある小説でした。
そしたら、隣の男子学生が私の文庫本を横目でガン見(笑)
その男子は微積の受験テキストを持ってたので高校3年生位なのかな。
読んでいる所申し訳なかったけど、大宮で休憩しようと思って途中下車しちゃいました。
いい所だったのに、ごめんごめん。
『君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ』
何度読み返しても、その清冽なうつくしさは変わることがなくて、胸がきりきり痛んだ。自分で傷口をえぐってどうする、と濡れた頭を打ち振って添えられた解説文に目を転じると、思いがけないことが書いてあった。
この歌が発表されたとき、白秋は投獄されていたのだという。罪名は、姦通罪。家庭ある女性と恋に落ち、その夫から訴えられたのだ。
ただただ幸福に、一夜をともにした恋人への、甘い思いを歌ったのではなかった。
あの人が、雪を踏んで帰ってゆく。帰らなければならない。ずっと一緒にいることはゆるされない。ならばせめて、この雪が、林檎の香りのように、清らかに舞い落ちてくれますように。あの人の上に。
(この辺で下車)
読んでいたのは、とある小説でした。
by spica_taya
| 2010-11-16 22:33
| 読書